QOLへの取り組み
グンゼは「人々のクオリティ オブ ライフ(QOL)」の向上に貢獻する健康?醫療関連分野の成長をビジョンに掲げ、QOL研究所を設立しました。
高齢化が進み、健康長壽と云われる中、健康壽命と平均壽命の差を小さくすることが我が國の課題となっています。いかに人間らしく、いかに自分らしく、いかに満足して生きていくか、QOL(クオリティ オブ ライフ)向上への関心は高まっており、世界規模で大きなテーマとなっています。
QOL研究所
グンゼのQOL研究所では、當社既存事業の健康?醫療分野進出への技術的なサポートを行っており、それぞれの事業をQOL(クオリティ オブ ライフ)の観點から見つめ、製品?サービスの企畫や技術支援を行っています。
グンゼのQOL向上の柱となるのはメディカル分野です。
縫合糸など醫療機器として長期間臨床現場で使用いただいている生體內吸収性材料は、先端醫療においても新たな用途として研究開発されており、再生醫療の現場で新たな道を切り開いています。

血管再生基材
先天的な病気である「単心室癥」の手術に用いられる生體內吸収性の血管再生基材は、米國での製品化を目標とし、人への有効性と安全性を確認するための治験段階まで進んでいます。

半月板再生基材
グンゼが保有する生體吸収性高分子技術を複合した半月板再生基材は、いったん損傷したら治らないといわれていた半月板に、この製品を足場として自己修復させる目的で研究開発しています。
この製品使用後は日常生活への制約や運動制限を最少にし、患者さまのQOLを維持することが期待されています。
今後は、メディカルの強みである「生體內吸収性材料」の特長を生かし、再生醫療、低侵襲治療※、個別化治療(カスタムメイド治療)など、QOL向上に資する醫療機器の研究開発を進めていきます。
低侵襲治療?內視鏡治療やカテーテル治療など、できるだけ體を傷をつけずに行う治療
アパレル分野では、人體生理學に基づいた衣料(肌著)の研究開発も行ってきました。
QOL研究所では、こうした技術と知見をいかして、これまでの著心地のよい「衣料」から、衣で悩みに寄り添う「衣療」の分野に新たに挑戦しています。
2016年2月には、乳がんなどの手術後や、さまざまな皮膚のお悩みにより、お肌が敏感になった方のセルフケアをサポートする低刺激製品「Medicure(メディキュア)」の発売を開始しました。
「Medicure(メディキュア)」は醫療現場の聲をもとに、肌にとって重要な3つのキーワード「物理的な刺激を軽減」「化學的な刺激を軽減」「著用感を含む快適性」に、當社の素材や加工をマッチングさせて製品開発を行っています。
今後もセルフケアをサポートする製品の開発と共に、企業や自治體、醫療機関などとも連攜して、QOL向上のためのセルフケア支援への取り組みを続けていきます。
- 完全無縫製?
- 糸を全く使わず、特殊な接著材で仕上げることで、縫い目による肌あたりをなくし、肌への負擔も軽減。
- 看護師向けセミナー
- 2016年11月に看護師を対象としたセミナー「乳がん患者のセルフケア」を開催。認定資格を持つ看護師を講師として、講義やパネルディスカッションを通じて、醫療の困りごとを実體験を交えて紹介。
スポーツ分野では、自治體や醫療機関などと連攜しながらQOL向上を目的とした新しいスタイルのクラブ運営への取り組みを進めています。
2017年5月には、富山市(総曲輪レガートスクエア)とグンゼスポーツが一體となり、健康維持のための「運動體感プログラム」を開催しました。
子どもから大人まで楽しみながら家族で參加できる「カラダ?姿勢が変わる簡単ボディケア」として、簡単姿勢チェックや骨盤運動アシスト體験など、正しい姿勢を理解して意識的な改善につなげます。
11、12月には第二弾として、女性を対象にした「女性のための腰痛予防」やシニアを対象とした「転倒しにくいカラダづくり」などのイベントも開催しました。
総曲輪レガートスクエア???富山市中心部の舊総曲輪小學校の跡地にできた「醫療?福祉?健康」をテーマとした官民連攜の複合施設(2017年4月1日オープン)。自治體初の直営産後ケア施設も完備。
- 「カラダ?姿勢が変わる簡単ボディケア」イベントの様子
- 正しい姿勢を理解して意識的に改善